1年間の妊活を経て、初めての妊娠で
「羊膜索症候群」
という聞きなれない症例で、我が子を出産することが出来なかった我が家の記録をこのブログに書き留めておきたいと思います。
というのも、羊膜索症候群というのはかなり珍しい症状らしく、自身ネットで体験記を探しましたが中々情報が見つからなかったんです。
今回私と赤ちゃんの身に起こったことを記録しておくことで、今後私と同じように悩む方の参考になれば....と、情報をまとめておきます。
この記事では、2018年に記録したものですが、同じ「羊膜索症候群」で悩む方に読んで頂けることが多いため、読みやすいように随時追記や更新をしています。
【羊膜索症候群】発覚から手術までの我が家の記録
羊膜索症候群と診断され、
大学病院にも見て頂きましたが、お腹の赤ちゃんの状態をどうすることもできず、結果的に私たち夫婦は赤ちゃんを諦めるという選択肢を選びました。
以下では、発覚から手術まで、我が家の記録を包み隠さず書いていきたいと思います。
発覚~何も問題ないと思っていた~
羊膜索症候群と診断を受けたのは10週の健診でした。
本当にその日まで何の疑いなく妊娠を当たり前のように喜び、普通につわりもあって、普通に出産するのだと思っていました。
それがまさか自分の赤ちゃんがこんなことになるなんて・・・
10週の妊婦健診のエコーがいつも異常に長く、先生が何やら探るように画面を見ていたんです。
何だかその場がすごく張りつめた雰囲気で、
「あ、赤ちゃんに何か問題があるんだ・・・」
と察しました。そして案の定、
「赤ちゃんによくないことが起きていると思います。別室で詳しくお話しますね」
と伝えられ、先生から告げられたのが、「羊膜索症候群」という聞いたこともない言葉でした。
羊膜索症候群(amniotic band syndrome)とは,胎盤の羊膜が機械的裂傷その他により1—数個の強靱な紐(索状物)となり,胎児の頭部・顔面・体幹・四肢などに絡み付き胎児に奇形を起こすものである.妊娠の初期の羊膜の裂傷,羊水の漏出がその発生と大きく関係しているようである.妊娠の中期や後期では胎盤に羊膜結節やPotter症候群(次回の予定)を起こすのであるが,この時期には羊膜索症候群の発生は殆ど無いように思われる.即ち,妊娠初期の料膜は恐らく裂傷・離断の過程で線維芽細胞等の活性化が起こるのであろうと推測している.胎児の傷害はその週数と索状物の多さに関係すると思われる.とくに早い週数のものは無脳症や頭部と胎盤の癒着が見られる.臍帯ヘルニアや側彎(Scoliosis)を起こす例もある1).
引用元|isho.jp 臨床婦人科産科 46巻3号
他にも、私の赤ちゃんには
- 胎児の首に分厚いむくみ(NT)がみられる
- 胎児の手足、胴が異常に短く、頭が大きい
- 背骨が極端に湾曲し、首が上がらない状態になっている
このような状態で、「羊膜索症候群」の他にも「染色体異常」の可能性もあるとのことでした。
頭が大きく手足が短いのは染色体異常の可能性があるそうです。
また、私の赤ちゃんは、羊膜索症候群の症例の1つである、頭部と胎盤の癒着が見られる臍帯ヘルニアや背骨が曲がってしまう側彎という症状になっていたんです。
「背骨が曲がり首も変形・癒着しているのか首が上がらない状態では、お腹の中で亡くなってしまうか、出産まで持ち越せたとしても生まれてすぐに亡くなってしまう可能性が高い」
ということでした。
ただ今回だけの診断では納得できないだろうと、先生が大学病院を紹介してくださり、そちらでもう1度診て頂けることに。
どうして私の赤ちゃんなの・・・?
病院を出て車に乗った瞬間、こんな気持ちが一気に溢れて涙が止まりませんでした。
大学病院で検査
夫婦で大学病院に検査を受けに行きましたが、やはり、結果は全く同じものでした...。
大学病院の先生からも、
- 母体のリスクを伴うこと
- 恐らく赤ちゃんは成長の過程でお腹の中で亡くなってしまう
このことから、赤ちゃんを諦める選択肢も視野に入れてみては・・・とアドバイスを受けました。
ここに来るまでは心の中がめちゃくちゃでしたが、大きな病院でもう1度診断を受けたことで「もうどうすることもできないんだな」と、自分の中で少し整理がついたような気がします。
でも、大学病院の検査で受けた超音波検査では、赤ちゃんの心音が元気いっぱいに聞こえてきて、、、
その瞬間に、この子は私の赤ちゃんなんだって、はじめて1番リアルに実感が湧いてしまったんです。
今はこんなにも元気に生きてくれているのに・・・
どうすることもできないのに、お別れもしたくない・・・と思ってしまった。
お別れ
夫婦で話し合って、先生と話し合って、赤ちゃんとお別れする決断をしました。
12週目での手術。
手術中に痙攣発作を起こして途中で目ざめてしまうハプニングもあり(どうやら麻酔が体に合わなかったらしい・・・)
最後まで色々ありましたが、ベッドの上で目覚めたときには、もう赤ちゃんはいませんでした。
決断するのは辛かった。
でも、次の命に繋がっていくことを願って..。
ですが、やっぱり我が子をなくしてしまった悲しみというのは一生忘れることはできないと感じています。
羊膜索症候群自体がどうして起こるのかは分かっていない
羊膜索症候群の症状そのものはネットでもいくつか情報が出てきますが、
なぜ羊膜索症候群が母体の中で発生してしまうのが、その理由ははっきりとは分かっていないそうです。
羊膜索症候群の出産確率
羊膜索症候群で生まれてくる確率は、1,200~1,500人に1人の割合と言われています。
引用元|出生前診断のこころえ
私の赤ちゃんのように、羊膜索症候群によって、生命機能に重篤な奇形がある場合は出産まで至らないケースもありますが、そうでない場合は実際出産されている方もいらっしゃるそうです。
そもそも、羊膜索症候群は珍しく、全妊娠の1,200例に1人の割合で発生するという文献もありました。
診断して頂いた産院でも、「今までに2例しか見たことがない」とおっしゃっていましたよ。
繰り返すことはない
もしかして次の子も羊膜索症候群になるのでは・・・?
心配で先生に相談してみところ、遺伝性ではないため繰り返す心配はほとんどないそうです。安堵しました。
追記しておくと、その後3回妊娠を経験しましたが繰り返すことはなかったです(ただ、1度は羊膜索症候群ではありませんでしたが、流産でした)
まとめ
はじめての妊娠で「羊膜索症候群」と診断されて、その次の妊娠では流産を経験しました。
もう妊娠するのは嫌だと落ち込みましたが、記事を更新している現在では子供2人に恵まれて毎日慌ただしく賑やかに過ごしています。
産まれることができなかった子どもたちのおかげで、命の大切さを身をもって知ることができました。
辛い経験も、全て次に繋がっているんだと私は思います。
この記事が、何かお役に立てる記事になっていると幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。