出産で死にかけた…という話は、今まで生きてきて何度か聞いたことがありました。

出産する前までは、なんとなくこんな風に思ったことがありました。が!!まさか、自分が出産後に死にかけるなんて、想像もしていませんでした。
出産は本当に命がけ。それは、出産中だけじゃなくて、出産後にもリスクが伴うということを忘れてはいけないと今回自分の経験から学びました。
私の場合は産褥感染症、名前の通り出産の影響で産褥期に発生する感染症のことで、その中でも
- 尿路感染症 → 腎盂腎炎 → 菌血症
という、少々厄介なところまでいってしまった状態でした。

なのに、救急搬送されるまで自分の体の異変に気づいていませんでした。
赤ちゃんのお世話に必死だったのと、

産後ハイになっていたことによって、自分の体の悲鳴が聞こえていなかったんです。
今回の記事では、私の出産後に死にかけた経験を教訓を生かし、産後は自分の体にもしっかりと目を向けて、いたわってあげて欲しいということをお伝えしたいです。
産後に腎盂腎炎になってしまった方の参考にもなれば幸いです。
入院中の暇つぶし方法について役立つ記事もあるので、是非読んでみて下さい。
関連自宅安静になったらどう過ごす?【有意義に暇つぶしする方法】
産褥感染症について
まずは聞いたことがあるけど、どんな状態のことを指すのか今いち分からない産褥感染症について紹介していきます。
産褥感染症とは、産褥期に発生する感染症のことを指します。産褥とは、出産後にお母さんの身体が徐々に非妊娠時の状態に戻る時期のことを指します。
産褥感染症は生まれた赤ちゃんではなく、あくまでもお母さん自身におこる感染症に限られます。出産の影響で起こりえる感染症という意味もあるため、感染が起こる場所は、主に子宮、尿路(尿道、膀胱、腎臓など)、乳房となります。産後に引いた風邪や、胃腸炎などは産褥感染症に含まれません。
産後の高熱でよく知られている乳腺炎も、産褥感染症の一つだと言われています。
ちなみに、産後に高熱が出ると乳腺炎か尿路感染症(腎盂腎炎)が疑われる可能性が高いそうですよ。
ここではさらに、今回私が経験した病気を深堀りしていきたいと思います。
病気についての詳しい症状や原因などは、引用元の医療サイトをご参照ください。
腎盂腎炎とは
腎盂腎炎とは、腎盂に炎症が生じる病気です。
腎盂とは、腎臓と尿管の接続部分のことです。腎臓で作られた尿を集め、尿管を経由して膀胱へ送り出すはたらきをしており、通常は無菌状態です。腎盂腎炎は、膀胱炎の後に起こることが多く、左右対にある腎臓のうち、片方に起こります。
簡単に言うと、膀胱炎とは違い、細菌が腎臓にまで達した状態だということです。
菌血症とは
血液が細菌に感染して起こる敗血症はよく聞きますが、その敗血症を引き起こす可能性があるのが菌血症とよばれ、血液中に細菌が存在する症状の感染症です。
ほとんどの場合血液中に少量の細菌が存在する程度なので人の免疫力で自然除去されるので大きな問題はありません。しかし、免疫力が弱っているときなど最近に血液が感染されて敗血症を引き起こす可能性があります。敗血症は多臓器不全などの重篤な疾患を起こす重篤な疾患です。
菌血症もしくは敗血症は、腎盂腎炎の合併症の一つだとも言われています。
敗血症ショックに陥ると非常に危険な状態だといわれていて、敗血症の死亡率は4人に1人と、かなり高いものとなるそうです。

産後に腎盂腎炎になる原因は?
- 免疫力の低下
- 尿閉や排尿困難などの排尿障害
- 導尿
以上が、産後に腎盂腎炎になってしまう原因です。
私の場合、陣痛42時間の難産で出血量が多かったこと、会陰裂傷3度でお尻まで裂けてしまったこともあり、免疫力が低下してしまっていたのかもしれません。
他にも、
- 尿が出なくなり導尿を何度も受けた(出血した)
- 導尿してもらうのを半日以上忘れていた日があった
これらが腎盂腎炎の原因になった可能性もありました。
私が感じた腎盂腎炎の前触れ
- 導尿してから、排尿時に膀胱炎のような痛みを感じるようになった
- 排尿後に残尿感がずっと残っていた
- 背中がかなり痛かった
- 何度もめまいに襲われた
- 顔が別人のようにパンパンに腫れた
- 足のむくみが激しく、普段の2倍くらいの太さになった
今思うと、体のSOSサインがかなりあったということが分かります。しかし、当時はとにかく目の前のことに必死。しかも初産だったので、

くらいにしか思っていませんでしたw
上記の普通ではない前触れについては、
- 背中が激痛 → 赤ちゃんの抱っこのしすぎで背中が筋肉痛になっちゃった
- めまい → 貧血と寝不足だろう
- 顔と足のむくみ → 産後はむくみやすいって聞いたことがあるな
という感じで、安易に考えてしまっていました。

ゾウの足とはまさにこのこと!パオーン
改めて見てみると、尋常ではないことになっています。(足首が曲がらない程パンパンでした)
そして、着圧ソックスで何とかむくみを取ろうとしている、メディキュット信者だということがバレてしまう写真がお恥ずかしい。


ですが、普通のむくみの原因とは違うので、メディキュットではどうにもなりませんでした…
むしろ、救急搬送される際に、メディキュットが足を締めつけすぎて危険だとひっぺがされてしまいましたw

出産後に死にかけた話
出産後の産褥感染症、尿路感染症 → 腎盂腎炎 →菌血症で死にかけた私の体験談をお話します。
退院した日に救急搬送されました
退院の当日も膀胱炎の症状があったので、念のため抗生剤2日分を処方してもらい退院しました。
その日の晩、一度目の急な悪寒に襲われましたが、気のせいかと思い就寝。2時間おきに泣く息子をあやしながら寝たり起きたり繰り返していました。
そうしているうちに、何だか体調悪いな~と普段とは違う自分の体の様子に異変を感じると、
ガクガクガクガクッ!
体中が突如勝手に痙攣しはじめたんです。それと当時に、襲い掛かってくるとてつもない悪寒。
それが、今までの人生では経験したことがない、ここは北極かというくらいの寒気だったんです。

痙攣なのか、震えなのか自分では訳が分からなかったのですが、声も出せないくらいの状態でそれが5分以上続いたため、家族が119番してくれました。
そして、運ばれていく私。
当時住んでいたのが、エレベーターなしの4階。当時はこんなこと考える余裕なかったですけど、今思えば出産で太りきった私相当重かっただろうな…しかもエレベーターなし…すいません…ありがとうございます!って本当に感謝の心でいっぱいです!
救急車で40.6度を記録
意識朦朧のなか、救急車で熱を測ってもらうとなんと
40.6度を記録!

病院に到着し、40度超えにもかかわらず看護師さんに引きずられるように、レントゲン・CT・血液・尿など、ありとあらゆる検査を受けさせられました。
そして、尿検査のコップをパスしてすぐ言われたこと。

膀胱炎の痛みも強くなっていたので、検査結果を伝えられる前に自分で大体の確信はつきました(^ー^;)
検査結果の数値が大変なことに
私の担当医(中国の方)から
いきなりこんなこと言われてビックリするかもしれないけど、あなた本当に重症ね!
と言われ、病状説明と一緒に渡された検査結果がコチラ↓
青が正常値。
赤が私の検査結果の数値です。
…!!これは、大変なことになっています。
メモ
CRPというのが、血液中の炎症反応の数値。
正常値が0.3以下なところ、私は14.78にまで上昇していて、大変な数値を叩き出していたそうです。
どうやら私は敗血症一歩手前の危ない状態だったそうです。
恐ろしいことに、腎臓の機能が低下してしまったり、心臓に細菌が入ってしまうと命が危ないということで家族に病状説明がありました。
そして、私の血液の中に侵入している細菌の種類も調べていただきました。
結果、グラム陰性桿菌陽性という大腸菌の一種。恐らく、導尿で傷がついたところから感染したのではないかという診断を受けました。
腎盂腎炎と菌血症の治療法は?
腎盂腎炎って、初期治療で重症化防ぐことが大切なので、原則入院が一般的なんだそうです。治療法は、1日3回抗生剤の点滴を受けました。
そして、多臓器不全になると一刻を争う危険な状態になるということで、病状が改善されるまでは、24時間心電図モニターで管理されていました。
一度、夜中に胸が痛くなり看護師さんに相談すると、3人くらいの医師が慌ててやってきたので、逆に私が驚いてしまったくらいでした。
私はそれほど危機感なかったのですが、それだけ危険な状態だったらしいです。
ちなみに、退院後もしばらくは抗生剤の服薬が続きました。
それに加え、その後の経過観察として、2回病院で診察と検査を受けました。
入院は何日間?
私の場合、8日間入院しました。
救急車で運ばれたときは、2~3日程度で退院できると思っていたのに、思ってた以上に長い入院生活になりました。
入院生活で辛かったこと
- 点滴ばかりで痛かった
腎盂腎炎の治療は、基本的にずっと点滴です。
看護師さんからは、点滴の針はずっと刺しっぱなしにしましょうと言われましたが、それがどうしても痛くて点滴の度に刺してもらうようお願いしました。
ですが、私は血管が細いらしく刺すのも中々大変で、両手とも痣だらけになってしまいました。
- 会陰の傷が痛い
私の場合、会陰の傷がかなりひどかったので、それもずっと痛かったです。
実は会陰の傷が開いていて、この病院で麻酔なしで再縫合されたんです。
これが痛いどころの話ではなくて、恥ずかしながら大泣きしました。
- 熱の上がり下がりが激しい
熱が上がりはじめると一気に40度まで上昇するので、寒くなったり熱くなったりが激しかったです。
悪寒がひどいときには、電気毛布や湯たんぽなど看護師さんが一生懸命お世話してくださいました。感謝です。
- 入院グッズが揃わない
救急車で身一つで運ばれたので、入院グッズなんてものは何も無くて…
持ってきて欲しいものを夫や義母にお願いしましたが、何がどこにあるのか全然伝わらず、大変でした。
- 入院中、夫の協力が得られなかった
ちょうど夫はその頃とても忙しい時期で、中々協力を得ることができませんでした。
病状説明と退院の日も、夫がストレスで体調を崩してしまい病院に来てくれたはいいけど、私のベッドで大の字で寝てましたから。

- 食事が味気ない
病院食なので、薄味でかなり味気なかったです。母乳も出していたので、常に満たされない感じでした。
この通り、辛いことはたくさんありましたが、やっぱり一番辛かったのが生れたばかりの息子と離れ離れになってしまったことでした。
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退院後
退院して一番初めにしたことが外食!
久々に外を出歩いたので、足腰フラフラでしたけど、なんだか別の世界に来たみたいで全てが新鮮に感じました。

入院費用も恐ろしかったのですが、後日高額医療の申請をし、有難いことにかなり返ってきました。
ポイント
腎盂腎炎はしっかり治療しておかないと、再発を繰り返し、慢性腎盂腎炎になる場合があるそうです。
私はしっかりと治療したので、2人目を出産した際も、再発することはありませんでした。